2019 6/2 メンフィス アメリカ
【音と匂い】
あまり博物館や観光名所と呼ばれる所に
興味なく人と生活とその土地の食、
そして音楽のみを渡り歩いているのだが
STAXのスタジオが移転して
メモリアル博物館になっていると知って行ってきた。
予想通りまあ普通の博物館ではあるが
置いてある機材で数々の名曲のレコーディングが行われていたと思うと少しでもその場所に滞在できた事が意味あるのかななど思いながら1時間かけて街の中心部まで歩く。
メンフィスは中心部から少し離れるとアメリカの南部っぽい雰囲気が数多く残っている。
教会や大きな木、いかにもな木造のアメリカ南部の家
街を歩いていると黒人しか住んでないのでは思うほど白人に会わない
車も窓ガラスが割れていてガムテープで止めてあったり、ボコボコになっていたりとその土地の空気感が分かる。
しかし歩いているたびにふっと香るこの匂い
とっさに連想したのは
ジャンベの皮や上手い黒人プレイヤーから
感じる匂いなのだ。
私は音を聞くと匂いの記憶が甦る。
特にパーカッションの音は
香る音と香らない音
一目瞭然なのだ
上手いけど香らないプレイヤーもいれば
ドタバタでも香るプレイヤーもいる
そして私自身も音を香らせたいし
自分のプレイが香ってこないと
フラストレーションがたまる。
そんな良い音から連想する
匂いが時々香るのだ
もちろん
三次元的な話では
土や植物、花粉や花、
暑さで少し腐りかけのゴミ箱の匂い、
ガソリンや犬、ネコ、動物の様々な匂いなど全て微妙にミックスされるとこの匂いになるのかもしれないが
もしかしたら香りの記憶ではないかとも
思っている。
まあ、この話は面白半分に聞いてもらえれば良いのだが
香りの残留思念というか
エネルギーから感じる匂い
無いとも言いきれない
盲目のピアニストの友人と
とある地方の城跡の公園に行った時に
いきなり線香の匂いがすると言い出した。
自分でも周りの人に聞いても全く匂わない。
しかし、その時に気づいた
裏側のすぐ近くに慰霊があったのだ。
もちろん線香など焚かれてなかった
軽く身震いしながらも
確かに香りというのは
三次元的な世界を超える可能性があることを確認した。
シャーマニズムの世界でも
音と踊り、さらにかかせないのが煙で
香や植物をじゃんじゃんモクモクと
焚く事が多い
仏教の世界では
お線香の煙が故人の欲しいものに届いて変化するなんて聞いた事もある
とにかくメンフィスの田舎の匂いは
いい音楽が生まれる匂いなのだ
ローカルのショップでも
一見ヤバそうな気配とヤバそうな人達の溜まり場だが入ってみるとみんな優しい
支払いの端数をまけてくれたり
英語が拙いのにどんどん話しかけてくれる
このローカルエリアを歩く日本人も相当珍しいだろうが、歩いていてもちゃんと日本人と分かってくれる人も多い
海外の人は東アジアの人種差が分からなかったりするがこれは嬉しい
思わず少し立ち話をする。
そんなメンフィスの思い出